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どうしてそれではダメなのか。~日米中の映画と映画ビジネス分析で、見える世界が変わる

どうしてそれではダメなのか。~日米中の映画と映画ビジネス分析で、見える世界が変わる

日米中の映画を通じてポストトランプ時代を読み解く
2021年3月10日発売
四六変型判 224ページ
定価:本体1,500円+税
ISBN 9784768314593

日米中の映画を通じてポストトランプ時代を読み解く

「分断から和解へ」連帯するハリウッド、躍進するユーフォーテーブル(『鬼滅の刃』)、潜伏するチャイナマネー……日・米・中の40作品以上を通じてポストトランプ時代を読み解く。
映画業界からみる国際情勢やハリウッドと米政府の対立、日本映画の現状、中国市場と映画ビジネスに精通する著者が、映画を通じて世界の現状とこれからを見通す、これまでにないタイプの分析本。
好評を得た前作「それが映画をダメにする」の続編。月刊「ビデオサロン」で2017年2月号から2021年1月号まで、4年間に渡って掲載した映画批評家・前田有一氏の連載「それが映画を〇〇にする」を大幅に加筆して1冊に。

【目次】
本作のタイムリーさは狙ったものではないが、古いはずの映画に、時代のほうが追い付いてきた。
『ホームレス ニューヨークと寝た男』

いったいなぜ『ラ・ラ・ランド』は最後の最後で転んだのか。
『ラ・ラ・ランド』

大連万達の王健林会長は本気でウォルト・ディズニーになろうとしている。
『グレートウォール』

スパイ映画は見事にその時代の国際情勢や世論を反映している。
『キングスマン:ゴールデン・サークル』

主観ショットを性犯罪のそれに使うことで世の中の偏見を正そうとしている。
『私は絶対許さない』

本作に割り込ませた「日本要素」の割合こそがハリウッドにおけるチャイナマネーの影響を知るカギである。
『パシフィック・リム:アップライジング』

時代が変われば全米から嫌われた人物が同情と共感の対象となる。
『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』

本作は「性別違い」こそが最大のテーマ。今のアメリカそのものというべき象徴的な作品。
『オーシャンズ8』

映画病の末期患者のような人間を一瞬にして正気に引き戻す強烈な傑作。
『ボヘミアン・ラプソディ』

現代の米映画に足りない鷹揚さと寛容の精神を感じる。
『運び屋』

中国にけん引してもらう興行戦術でのヒットはやはり〝事件〟であろう。
『アクアマン』

まだいくらかの抵抗があったと想像できる事実上のネット配信用作品を「映画」の最高峰に選ぶこと。
『グリーンブック』

リアリティを犠牲にしてまで実写化する意義はどこにあったのか?
『空母いぶき』

映像コンテンツは「盗むより買う」国になりそして「作る」国となりつつある。
『ペガサス/飛馳人生』

安易な繰り返し=劣化再生産の愚を犯すことなく続きを作る必然性があるテーマを考え出した。
『トイ・ストーリー4』

実写ではなくアニメでリメイクするのはコンテンツとキャラクターの「更新」こそが、切実な理由。
『ライオン・キング』

「古き良きもの」「引退」に興味を持つのは現在のところ万国共通の傾向ではない。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

「未来を見る目」をもった人たちが作る映画はある種の未来予知のようだ。
『エンド・オブ・ステイツ』

世界を悩ます対立と諸問題も力ある側の「変化」によって一瞬で解決できるはず。
『テルアビブ・オン・ファイア』

一見フェミニズム映画に見えるが実は真逆の主張を込めていた可能性も!?
『チャーリーズ・エンジェル』

「美談仕立てのヒーロー映画」問題の本質から目をそらしたエンタメ作品
『Fukushima 50 (フクシマフィフティ)』

グローバル資本主義がもたらす格差問題は世界中で共感が得られるテーマに。
『薬の神じゃない!』

遠慮がちな優等生映画ばかりでは、逆に多様性と相互理解のチャンスを失う。
『シャイニー・シュリンプス! 愉快で愛しい仲間たち』

アニメ映画の観客のブランド志向を理解すればヒットの理由も見えてくる。
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』

【著者】
前田 有一
(マエダ ユウイチ)

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