生賴範義 緑色の宇宙

伝説的イラストレーター、生賴範義の作品アーカイブ

スターウォーズ帝国の逆襲」、平成版「ゴジラ」シリーズなど数々の映画ポスター、平井和正「幻魔大戦」や小松左京「日本沈没」「復活の日」などの装画・挿し絵を手がけ、約50年にわたり第一線で活躍してきた伝説のイラストレーター・生賴範義。圧倒的な画力で膨大な仕事量をこなし、特にSFや戦記物の分野では輝かしい実績を残しており、生賴さんの影響を受けたイラストレーターは数多く存在します。2014年2月に代表作約300点を網羅した初の大規模な展覧会をみやざきアートセンターで開催。
本書はその展示作品を中心に、代表的な仕事や作品をアーカイブした1冊です。

監修:オーライタロー/企画協力:みやざきアートセンター


【主な内容】

01.映画
「スターウォーズ/帝国の逆襲」「ゴジラ」「日本沈没」「テンタクルズ」等、代表的な映画ポスターの仕事を紹介します。



02.SF(サイエンス・フィクション)
生頼さんの世界観を最も代表する仕事として、SFを題材にした仕事を集めました。
中でも、グリーン系の色が多用された光あふれる明るい空間として描かれた宇宙の表現は、ファンの間で「オーライグリーン」として親しまれています。



03.女神(ミューズ)
徳間書店から刊行された「SFミステリー」表紙に代表される、神話の世界から飛び出してきたような美女を描いたシリーズを集めました。



04.ゲームビジュアル
「三國志」「信長の野望」シリーズなどコーエーの歴史シミュレーションゲームのパッケージビジュアルを紹介します。生頼さんが描いた野性味あふれる信長のイメージは現在にも受け継がれています。



05.モノクロ画
点描や線描で描かれた細密かつ力強いモノクロ画の数々。吉川英治「宮本武蔵」などの時代小説挿絵、「肌だけでなく骨まで描く」と言われた線描による肖像画など。
日本たばこ「HOPE」では、写真を超えた細密な風景に圧倒されます。



06.ミリタリー・戦記物
戦艦や戦闘機などを描いた戦記物は、生頼さんにとって単に仕事の一つにとどまらず、ライフワークとなったテーマです。
海戦を描くために戦艦の図面や航海日誌を丹念に調べ、日時や天候など事実に基づいて場面設定したといいます。戦記物のカバーやプラモデルのパッケージ、国内外の軍艦を同一縮尺で描いたオリジナルワークスまで、幅広く集めました。

07.書籍の仕事
最盛期には年間100冊を超える書籍の装画を手がけていた生頼さん。
みやざきアートセンターが集めた1500冊以上の蔵書から、SFやミステリーの仕事を中心にセレクトしました。
特にシリーズで多くの仕事を手がけた平井和正氏、小松左京氏、清水一行氏との仕事を重点的に紹介します。

対談・座談会

生賴さんから多大な影響を受け、「生賴チルドレン」を自負するイラストレーター・漫画家によるトーク。
生賴作品の詳細な分析や、制作に関するさまざまなエピソードが飛び出します。

対談:寺田克也×金子ナンペイ

座談会:加藤直之×開田裕治×麻宮騎亞×オーライタロー(2014年2月の緊急イベントを収録)