Voyage 箱守夏子展 図録

Voyage 箱守夏子展 図録

本の姿をした100部限定の版画作品集
2022年9月9日発売
A4判 40ページ
定価:本体5,000円+税
ISBN 9784768316757

本の姿をした100部限定の版画作品集

版画、写真、インクジェットなど様々なプリントメディアの技法で作品を制作するアーティスト、箱守夏子の展覧会「Voyage」の図録です。

2022年4月に北千住BUoYで開催された展覧会では、作家自身の時間と空間の旅をコンセプトとして、写真やインクジェットを使った展示、インスタレーションが行われました。浅草で生まれ育った子ども時代の思い出、美大で学んだ様々な絵画や版技法、フランスのラスコー洞窟で体験した人類と絵画の歴史、広島・長崎をめぐる旅から得た日本という国の記憶、谷中の墓所に眠る祖母の人生など、作家の子ども時代から現在に至るまでの記憶、あるいは作家が生まれる前の歴史がモチーフとなっています。

展示作品の制作では、インクジェットによるアートプリントのプロフェッショナル・小島勉が協力し、展示風景の撮影は写真家・茂手木秀行が担当。図録の制作においては、玄光社の作品集出版サービス「ARTBOOKS」を利用し、凸版印刷のプリンティングディレクターによる印刷設計、通常の印刷を超える高品質なデジタル印刷、高級印刷用紙のヴァンヌーボなどを通じて、ハイクオリティな印刷物を実現しています。

図録は100部限定で、100部すべてに作家のサインとエディションナンバーが記入されています。もともとデジタルで作られたアート作品を部数限定で出版することで、物理的な版画作品として成立させることを企図しています。江戸時代の大衆文化である浮世絵版画は、下絵を描く絵師、版木を彫る彫師、紙に絵を摺る摺師などの職人たちと、制作・販売を受け持つ版元とのコラボレーションによる総合芸術でしたが、この図録はその手法にのっとって、本の姿をした版画作品集として作られています。

※エディションナンバーは指定できません。

【著者について】
箱守 夏子(ハコモリ ナツコ) 
1968年浅草生まれ。東京造形大学 美術学部絵画Ⅰ類卒業、東京藝術大学大学院 美術学部版画科修了。学生時代は伝統的な木版技法やリトグラフにおける写真製版を学び、1990年代半ばからインクジェットによるプリント作品を制作。現在はiPadを駆使して写真、ドローイング、ペインティングのミクストメディア・アートに取り組む。版画、写真、インクジェットなど、紙や支持体に定着されたメディアのことを英語においてはすべて【print】と呼ぶことから、自らをプリントメディアアーティストと称している。

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