ホルベイン×ザ・チョイス 「クロッキーメモの表紙を描く2016」審査レポート
1月某日、画材ブランド「ホルベイン」と本誌の誌上コンペ「ザ・チョイス」のコラボレーションによる「特別チョイス」の審査が行われました。審査員はイラストレーターの唐仁原教久さんと網中いづるさん。応募数は約350人。
1月某日、画材ブランド「ホルベイン」とのコラボレーションによるザ・チョイス特別版の審査が行われました。昨年も実施したこのコラボチョイスは、入選作品が同社の「クロッキーメモ」として製品化され、全国発売されるというもの。今回の審査員は網中いづるさんと唐仁原教久さんにお願いしました。
予定時間よりも早め、ほぼ同じタイミングで網中さんと唐仁原さんが到着。網中さんはこの日、大分からの上京です。続いてホルベインのスタッフも来社、審査に立ち会います。
机に置かれた応募作品は通常のチョイスと比較すると随分小ぢんまりとしていますが、これは製品サイズを考慮して応募サイズをA3以内としたためです。審査の流れを簡単に説明した後、すぐに審査開始。最初は審査員お二人のうちどちらかが気になった作品は残しておく形で進めます。作品の見やすさやスタッフの作業のしやすさなどの関係で、それぞれが作品を見る位置を微調整する場面もありました。
TIS(東京・イラストレーターズ・ソサエティ)などでよく顔を合わせるお二人なので、コミュニケーションはスムーズ。ともにてきぱきとジャッジしていきます。作品は最初からやや厳しめに絞り込まれていく感じで、残す場合は応募作品の内、どの作品がいいかなどが話されます。1時間ほどで一通り作品を見終えました。
小休止を挟んだだけで、すぐに次の審査に入ります。作品がかなり絞られたということで、残した作品をすべて机に並べていきます。その際、審査員が「これがいい」と指示した作品が応募作の一番上に来るようにしておきます。
ここからの絞り込みとお二人の意見の調整が大変…と思いきや、息の合ったやり取りでスムーズに進んでいきます。「私、この作品好きです」「この絵はいいよね、でもこっちはよくないな」、「これなんか製品にしたら面白いんじゃない?」「私もいいと思います」といった具合。純粋な作品としての良し悪しだけでなく、製品化した時にどうか、8名分がどういうバリエーションになるかも意識して選んでいるようです。次々と入選が決まっていきますが、ピックアップする時点で作品は1点に絞られます。こうして、わずか20分足らずの間に入選8名が決まりました。
続いて、入選以外でそれぞれが気になった作品をピックアップし、当落線上で協議された作品と合わせて10数名を最終選考対象者としました。今回は最終選考対象者にも画材プレゼントがあります。
入選作品への寸評をいただいた後、ここからはホルベインの方を交えて製品化のための打ち合わせ。前回のサンプルも参照しながら、選ばれた作品をどのようにデザインするか、修正や追加の必要性の有無、何らかのアレンジを行うかといったやり取りが行われます。そのまま使用できる作品はなるべく加工しないという基本方針を立てつつ、いくつかの作品については要素をバラして反復したり、弱い色を強める、一部並べ替えを行う等のアイデアが出されます。
この場で話された内容をたたき台に、唐仁原さんが主宰する『HBスタジオ』でデザイン作業が進められます。どのような表紙が上がってくるのか、デザイン制作と校正については追ってまたレポートします。
審査結果
【入選】
澤井 航(東京都) 仲里秀樹(東京都) こうのかなえ(神奈川県) 大森勇人(静岡県) 井田みちこ(三重県) 浅野成亮(奈良県) 辻本そう(大阪府) 鹿子木 美(広島県)
【最終選考対象者】
yoki(宮城県) 小山萌江(埼玉県) 新井眞美(東京都) 大村えつこ(東京都) 菊野葉子(東京都) 佐山愛(東京都) 塩谷真実子(東京都) 田中麻子(東京都) 堀部久美子(東京都) 森田博之(東京都) しんやゆうこ(神奈川県) 藤岡詩織(神奈川県) 吉積惟代(愛知県) 山下真央(和歌山県) 佳矢乃(和歌山県) 堀川登代(兵庫県)
入選作品と製品サンプル、審査員講評と入選者コメントは4月18日発売のイラストレーションNo.210に掲載いたします。お楽しみに。